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依存症って・・・
チェック

■どこからが依存症?

 日常生活に支障 やめたくてもやめられない

 

 

―「子どもがスマホばっかり見ていて、話しかけてもろくに返事もしない」。最近、親御さんのこんな声をよく耳にします。依存症じゃないかと心配なようです。

 

長時間スマホを見ているからといって、依存症というわけではないんです。ネットやゲームが何をするよりも最優先になり、日常生活に支障が出るようであれば、依存症の疑いがあります。ゲームやネットに夢中になって他のことに手がつかなくなり、やめたくてもやめられなくなる。これが依存症の特徴です。

 

―支障というと?

 

学校生活の面では、遅刻や欠席をする、成績が下がる、友達が減る、不登校になる。このほか、睡眠不足、昼夜逆転、イライラする、家族関係が悪くなる、さらには、暴言や暴力、ひきこもりといった問題が起こることもあります。

 

―いろいろな面で支障が出るんですね。ただ、こうした問題がなくても、お子さんがスマホばかり見ていたら、親御さんは心配なのではないでしょうか。

 

親御さんにとっては大問題ですよね。現時点では支障がなくても、何かのきっかけでのめり込んで依存症になる可能性はあるんです。友達や家族との関係の悩み、学校での嫌な出来事といったことが、のめり込むきっかけになります。

 

―依存症とはどういう病気なのでしょう?                        

 

アルコール依存症は知っている方も多いと思いますが、アルコールや薬物といった「物質」だけでなく、ネット・ゲームやギャンブルなどの「行為」も依存の対象になります。依存症とは、ある特定の物質を繰り返し使う、または、ある特定の行為を繰り返し行うことで、脳の快楽物質を分泌する機能が変化し、その物質や行為に対する欲求がコントロールできなくなる精神疾患です。

 

―病気ということは治療すれば治るのですか?

 

一度変化した脳は元に戻らないので依存症が完治することはないのですが、特定の物質や行為に依存する必要のない生き方を身に付けることで、普通に社会生活を送ることができるようになります。これを「回復」と呼びます。慢性疾患の方は病気との付き合い方を身に付けて生活していらっしゃいますよね。依存症も同じです。

 

―「依存する必要のない生き方」とは具体的にはどういうことなのでしょう?

 

依存症になるリスクとして「生きづらさ」の問題があります。依存症の人には「本音を話せない」「人から嫌われるのが怖い」「自己肯定感が低い」といった傾向が見られます。何かに依存することで、こうした生きづらさから解放されるので、やめられなくなるといわれています。生きづらさの問題を解消することが回復につながります。

 

―ネットやゲームの使用を制限するだけでは解決しないんですね。

 

そうなんです。ネットやゲームに依存することが生きる支えになっている場合もあるので、取り上げるのではなく、依存する原因に目を向けることが重要です。日々進化するデジタル社会を生きる子どもたちは、ルールのない世界に投げ出されているようなものです。ネットとどう付き合うかが、どう生きるかになっている時代。子どもの頃からネットの使い方を考えることがとても大切です。

一般社団法人グレイス・ロード
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